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店の中に隠れていた駿は、外が静まり返ったのを不安に思って外に飛び出した。出入口付近に紗理奈が倒れているのを見つけ、救急車を呼ぼうとスマホを取り出した。
異変に気付いたのは、その時だった。
スマホが笑い声のような、不気味な音を鳴らし始めたのだ。
思わずスマホを手放した駿は、街のいたるところから鉄のパイプやコードが生えていることに気づいた。
空は濃い紫と赤が混じった不気味な色を湛え、機械油と煙の臭いに混じって甘ったるい臭いもした。
どこからか、ロボットの足音のようなものも聞こえてくる。
世界の、終わり。
空想の世界のものだと思っていた言葉が、確かに駿の脳裏を過ぎった。
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