クラスメイト

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クラスメイト

満月の夜、子供達はそわそわしながら何処かに行った。 輝と智恵美は二年C組のみんなに逃げようと声を掛けた。みんな協力して欲しいと…… 当然輝と智恵美の考えにクラスメイトは全員賛同してくれるものだと輝と智恵美は思って作戦を立てていた。 ところが輝と智恵美以外のクラスメイトのみんなは輝と智恵美が予想していたものとは違う言葉が返ってきた。 「私はここで暮らすから。勉強もない親から文句を言われることもない。果物を取ったり釣りをしたり、暑いときには海で泳げるし、みんなとも遊んでいられる。帰ればまた勉強して、卒業したら上司に怒鳴られながら仕事をするか、大学行って勉強するかのどちらかだし、なかなか楽しいことなんてないし~私ここにいるから」 「俺も母さんに勉強しろとかいい大学に入れとか言われなくても済むし~ここの生活楽しいし、寝たいときに寝られるし食べたい時に新鮮な果物を食べられる。だから俺ここに残るから」 「俺もここに残る」 「私も家よりここの方がいいから」 それを聞いた智恵美と輝は皆に言った。 「みんな、どうしちゃったんだよー?母さんと 父さんに会えないんだぞ!それでもいいのか?」 二人の問い掛けにクラスメイトの皆は言った。 「だから両親に会えなくてもいいよ。ここの方が楽しいから。輝と智恵美だってそう思ってるんじゃないか?勉強しなくていいんだぞ?子供達は親切で優しいし」 輝は言った。 「本当に優しくて親切な子供達だと思ってるのか?こんな島で牛や豚を飼えるはずがない。きっと行ってはいけないと言われている場所に何かあるんだよ」 輝の言葉も虚しくクラスメイトのみんなは輝と智恵美に言った。「あの子達があの山に牛や豚がいるって言ってるんだから、本当なんだよ。僕達がここに流れ着いたように牛や豚も事故で流れ着いても可笑しくないよ」 そう言ってクラスのみんなは笑っていた。 輝は担任の小出正樹に声を掛けた。 「先生!先生は、俺と智恵美の考えをどう思いますか?」 輝と智恵美は先生ならきっとわかってくれる。先生ならこの島から脱出する方法を一緒に考えてくれる。輝と智恵美は先生の言葉を待っていた。 担任の小出正樹は輝と智恵美に言った。 「この島はとても過ごしやすいし、釣りをやったり海で泳いだりまるで子供に返ったみたいだよ。こんなゆっくりできる生活はないね。学校に帰れば仕事が待ってる。子供が好きで教師になったけど、ゆっくりするプライベートの時間がなかなかとれなくてね~ここだとゆっくりできるよ。一緒に来てくだ さった先生達もほら、砂浜で雑談しているだろう。他の先生達もわたしと同じ考えだと思うな。教師の仕事もなかなか大変なんだよ」 智恵美と輝は校長の岩井悠仁や他の先生に意見を聞こうと砂浜に向かった。 智恵美と輝はクラスメイトと担任に話した言葉を そのまま砂浜にいた先生に話した。 先生達の話もクラスメイトの皆と担任の小出正樹と同じ考えだった。 そして、校長の智恵美と輝に話した言葉に驚きを隠せなかった。 「君達の言いたいことはよくわかった。でもね~ここではこんなに私達も雑談しながらリラックスできる。忙しい毎日から解放されるんだよ。君達だってここでのんびりできて楽しいんじゃないのかい? 私達も皆と同じ気持ちだよここで暮らしてもいいと思ってる。こうして釣りをしながら先生達と子供の頃の思い出話をしてる今が一番楽しい」 「校長先生~魚が掛かってる。早く竿を~」 「本当だ~。田中先生も~釣れてるぞ」 「本当だ~はっはっは……」 輝と智恵美は二人でこそこそ話していた。 「これじゃあいくら話しても駄目だな。俺、子供達がいない今のうちに、あの山に行ってくるよ。 もし、子供達が戻ってきたらなんとか誤魔化してくれ」 智恵美は「わかった。気をつけてね」 智恵美がそう言うと輝は頷いて子供達が行ってはいけないと言っていた山の方に走って行った。 子供達が絶対に行ってはいけない。 そう言った言葉の意味を輝は後にわかることになる
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