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洞窟の謎
二年C組の担任小出正樹は謎の笑っている子供達と一緒に立ち入り禁止エリアに向かった。
「大丈夫だ校長を捜し出す」と言う言葉と
「洞窟の壁画」と言う言葉を残して。
「先生大丈夫かな?校長先生みたいに居なくならないかな?」松田智恵美は今にも泣きそうな顔をして田辺輝に言った。
「大丈夫だきっと、それよりみんな先生が洞窟の壁画~とか言って……」
田辺輝は話している途中で急な睡魔に襲われた。
「私も眠……」「俺も……」「もしかしてさっきの躍りながらの歌って…眠りにつく呪文……」
「先生も……眠く……」
真っ赤に染まっている洞窟の中では、謎の子供達が歌った歌の呪文で先生と生徒達は眠りについた。
静かな暗い洞窟の中では壁画の謎の文字と絵だけが光っていた。
すっかり眠りに付いていた洞窟の中の先生と
生徒達が目を覚ましたのは次の日の朝だった。
松田智恵美は一年の時からの友人の水田萌音に
起こされた。「智恵美ちゃん。智恵美ちゃん大変なの早く起きて」
「う、うーん大変って?」智恵美は眠い瞼を擦りながら萌音に聞いた。
「大変たぞ!二年A組の先生の田中詩音先生が居ないぞ」
「何だって?あの歌の呪文で私達は眠ってしまったそう言えば、先生はあの踊りをあまり踊らなかった。だから呪文が効かなかったのかも?」
「もしかして~小出先生が心配で後を付けて行っ
たんじゃあ?」
「えっ?一人で~」
「小出先生と田中先生って恋人同士だって噂だぞ?」
「じゃあ恋人を心配して?」
「たぶんね」
「何かあったらどうするのかしら」
「それよりまずここで、壁画の謎を調べようぜここでやれることをやって、早く先生達を助けてここから出る方法を見つけないと」
「この洞窟の壁画~大きな包みを焚き火に入れているそしてその火の周りを踊っている。
その踊っている奴は僕が見たのと同じだ。
子供の姿じゃなく身長が180センチくらいで極端に痩せている頭に二つの触覚がある。
みんな僕が立ち入り禁止のところで見た子供達の姿と同じだよ」
洞窟に残っている先生と二年C組の生徒達と先生の顔はみるみる青ざめていった。
「壁画に書いてある文字は何て書いてあるんだろう?」
「これ、この文字少し離れて見ると読めるよ」
これは……「食材を集めるために…」
ここまでしか読めない」
その時、壁画の壁が動いた。
「食材を集めるために……」これが壁を開ける呪文だったなのだ。輝は壁が開いたもしかしたらここから逃げられるのか?そう一瞬思った。
でも、それは不可能な事だった。
開いた壁画の奥にあった物は沢山の骨だった。
まるでそれは……人間の骨のように見えた。
洞窟にいた生徒と先生は一斉に震えながら叫んだ。
「キャーほ、骨~」「やっぱり僕達食べられるのか?食材なのか?」「あの子達は何者なの?何でこの島にいるんだろう?」
大量な骨と壁画の奥は行き止まりだった為。
洞窟の生徒と先生は丸1日何もする気になれず魚釣りも果物も集めなかった。みんな食欲が失せてしまっていた。
その日、謎の笑っている子供達と担任の小出正樹と二年A組の担任の田中詩音は戻って来なかった。
次の日も次の日も小出と田中と謎の子供達は戻って来なかった。
洞窟の中にいる先生と生徒達は生きる為に取れる果物だけは取って食べていた。
夜は赤く染まった洞窟で先生と謎の子供達をじっと待っていた。
松田智恵美は震えながら俯いて泣いていた。
「智恵美、お前大丈夫か?きっと誰かが助けてくれる。クラスメイトの仲間もみんなここにいる。
心をしっかり持つんだ。こうなった以上何か打つ手はないかみんなで考えよう。泣くなよ。泣いても仕方がないじゃないか」
「輝、あなた意外と男らしいのね見直したよ」
「今頃わかったか~まあな」
クラスメイトは普通の日常が戻ったように笑顔になった。
そして輝は洞窟の中にいる先生とクラスメイトに
言った。
「俺、明日の昼間もう一度立ち入り禁止エリアを明るいうちに見に行こうと思うんだ」
田辺輝の言葉を聞いて二年B組の斎藤洋介が言った。「田辺だけを行かせるわけには行かない。明日先生と一緒に行こう」
田辺は「はい、先生二人で明日朝、彼等に見つからないように注意して行こうと思う」
洞窟の中にいる先生と生徒達にそう告げた。
ん
二人は明日、朝早く立ち入り禁止エリアに向かうことにした。
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