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小船
あれから小船を漕いでも相変わらずサネ島にはたどり着かない。。
だんだん寒くなってきた。。。
そして、とうとう夜になってしまった。
小船に乗ってる私達は順番に寝るように乗組員から言われた。
「松田さんもひと眠りしないと身体がもたないよ」
小船を漕いでいる大型船の乗組員はそう言って
松田智恵美を気遣ったが松田智恵美は目の前で大型船が沈んでいく姿が頭の片隅から離れる事はなかった。
そして他の小船に乗っている生徒も松田智恵美と
同じ気持ちだった。みんな大型船が目の前で沈んでいく姿が頭の片隅から離れる事はなかった。
そして、智恵美と同じように泣いていた。
何日漕いでもサネ島には辿り着かない。生徒達の
イライラは次第に限界に近づいていた。
そして僅かに持っていた食料も底を尽いてしまった。
そんな時だった小船が何かに当たり小船がグラッと揺れた。私達を乗せた小船は、遂に海の中にゆっくりと沈んでいった……。
お腹が空いていたのと、疲労で小船に乗っていた
生徒達は声も出せない極限の状態で海の中に沈んでいった。
この時からどうやってこの島に辿り着いたのか
私達は誰も知らない。
でも、私達桜西条高等学校の二年C組だけがこの島にいつの間にか辿り着いていた。
サネ島ではないこの島に私達だけが……。
他のクラスの生徒は無事なのだろうか?どうして私達だけが助かってこの島に辿り着いたのだろうか?
私達二年C組の生徒はサネ島を望遠鏡で覗いた時
に見たたくさんの子供達たぶん100人位いる子供達に助けられた。
最初、私達は親切で優しいいつも笑っている子供達
助けてもらった時は望遠鏡で覗いた時のように怖いとは思わなかった。
本当に優しくていつも笑っているたくさんの子供達そう思っていた。
でも、最近はその子供達の事をなんとなく
望遠鏡で覗いた時と同じように怖いと感じている
助けてもらってにこにこしている優しい子供達なのに、何故だろう?この私の中にある違和感は……。
輝もこの島に辿り着いていた。
この島には私達二年C組の生徒と他のクラスの先生達だけしか辿り着いていない。
船長も他のクラスの生徒も誰一人いない。。。
何で二年C組の生徒と先生だけがこの島に辿り着いたんだろう?
輝達も大型船が沈没した筈なのに~この島に辿り着いていた。他のクラスの生徒もあの大型船に乗ってた筈なのに何で?二年C組の生徒と先生だけなんだろう?この島に辿り着いたのは……。
まるで私達が笑っているたくさんの子供達に選ばれてここに連れて来られたみたいに……。
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