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子供達との出逢い
小船と大型船はゆっくりと海の中にひきづられる
ような感じで沈んでいった。。。
生徒達は死を覚悟して諦めていた。
どのくらいの時間と日にちが過ぎていたのか
生徒達はわからないまま気を失っていた。。
二年C組の生徒がこの赤くまるで染まっているような島の洞窟で目を覚ましたのは……優しい声が聞こえた時だった。
「大丈夫ですか?目を覚ましましたね。心配したんですよ?この島にはよく転覆した船に乗っていた人が流されて来るので私達が助けてあげるんですよ」
松田智恵美が目を覚ましてまわりを見ると
松田智恵美のまわりには気を失っている桜西条高等学校二年C組のクラスメイトと桜西条高等学校の修学旅行に一緒に来てくれた先生が全員いた。
そして100人位は、いるであろうたくさんの子供達が松田智恵美のまわりにいた。
松田智恵美はほっとしたため息をついた。
そして泣きながら……。
「よかった……。同じクラスのみんなは無事
だったのね……あなた達が助けてくれたのね?
ありがとう。見たところ全員小学生くらいに見えるけど?一番小さい子は小学校一年生くらいかしら?ところで?あなた達サネ島にいた?」
100人は、いるであろうその子供達が松田智恵美に言った。
「私達はこの島から出た事がないんです。出られないので」
松田智恵美は心の中で何で嘘をつくんだろう?
確かにあの時、私が望遠鏡で見た子供達……
そう不信に思いながらもたくさんいる子供達に聞いた。
「何で?子供達だけでここにいるの?お父さんは?お母さんは?この島から出られないって?どういうことなの?」
松田智恵美が子供達に聞くと子供達は松田智恵美に話し始めた。
「私達はもうずーっと前から親にこの島に捨てられてしまったんです。捨て島って知ってます?今はネットで調べられるらしいですね。
猫がたくさんいる猫島が有名ですが、最近は捨て島も有名なんですよ親がいらない子供を捨てて行く島。親は子供達を次々に捨てに来るんですよ。船に乗って~」
松田智恵美はこの時、子供達に少し違和感があった。
「ずーっと前って?みんな小学生くらいだよね?」
子供達はみんな急にそわそわした態度になって松田智恵美に言った。
「そ、そうですよ小学生です。私は一番年上の
小学校六年生です」
松田智恵美はもう一度聞いた。
「そうなのね~そんな親がいるなんて……お気の毒に……それで……ここから出られないって?」
子供達は松田智恵美に言った。
「何度、助けを呼んでも空の飛行機から私達は見えない。電波も通じない。
ここの島に来る人達は何とかここから出ようと
試みても脱出することはできないんです。
そうだ、お腹空きませんか?喉が乾いたでしょう?これこの島で取れる沢山の果物なんですよ」
松田智恵美は「こんなに果物が取れるんですか?
いいんですか?食べても?」
子供達はにっこりと笑っていた。
「沢山食べて元気になってくださいね。
寒くないですか~掛けるものを持ってきますね。
私達が草で編んだ身体に掛けるものです。これを身体に掛けると温かいですよ」
松田智恵美は草で編んだ毛布の代わりになるものをもらって身体を覆った。
「本当だ温かい。お腹が空いていた智恵美は果物を頬張った」
「この果物美味しいありがとう」
嬉しそうに子供達はにこにこと笑っていた。
親切で優しい子供達……。
この子達に助けられて本当によかった……。
この時、松田智恵美はまだ子供達を信じていた。
そしてこれから目覚める同じ二年C組のクラスメイトと先生も全員子供達を信用していた。
子供だからただそれだけの理由で……。
今、考えれば子供だけで島にいること事態おかしな話だという判断も私達は助けてもらった安堵から気付くことすらできなかった……。
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