12 花斗の未来を描いて

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 ご飯のあともブロックを取り出し、先程と同じように街を組み立てた花斗。 「飛行機飛行機ブーン!」  ブロックの間を器用にぴょんぴょん跳び跳ねながら、大空を飛んでいるらしい飛行機を操縦する。 「この飛行機はー、外国に行きますー」  外国ってどこだよ!  心の中でツッコミを入れるも、楽しそうな花斗を眺めながら皿洗いをしていた。  この遊びにも、どうやら私は入れてもらえないらしい。  壱月は「皿洗いは置いといて」と言ったが、手持ち無沙汰になってしまっては手を動かしてしまう。  不思議な気分だ。  この前までは、あんなに花斗を取られるのが嫌だったのに、今はそんなこと何でもなかったことのように思える。  彼が父親だということを、まだ認めた訳じゃない。  けれど、こうやって距離が縮んでいくのは、何となく“恋人”として、嬉しいことのような気がした。 「いつきは、いつもどこに行くの?」 「うーん、色々行くけど……」 「外国も?」 「ああ。前に言ったろ。このブロックも飛行機も、買ったのアメリカだ」 「あめりかって、外国?」 「……外国だな」  こんな何気ない会話に笑みを漏らしてしまうくらいには、今の私は彼のことを認めているらしい。  あの日々は何だったのだろうと、一人苦笑いをこぼした。
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