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「何これ?」
受け取ったスマホの画面をスクロールしていると、壱月は言った。
「うちの会社のイベント。ファミリーデーってことで、身内限定だけど」
なるほど、壱月の勤める大手航空会社、NALJ(National Air Line Japan) のロゴが踊る画面に、子供たちが何やら楽しそうに体験している複数の写真が映っている。
「家族に、感謝の気持ちを伝えるイベントなんだと。それから、仕事を知ってもらう意味もある」
「それって……」
「飛行機に関わる仕事なんて山ほどあるって、花斗に知ってもらえるかなって。愛音が花斗の夢応援してんの見て、思い出した」
でも、これって家族限定じゃ……。
そんな私の心を読んだかのように、壱月は続けた。
「俺、これの受付したことあるけど、そんなみっちりチェックとかねーから誰でも入れるし……いざとなったら、“婚約者”とでも言えばいいだろ」
「ちょ、婚約者って!」
急に頬が熱くなり、慌てて両手で頬を包んだ。
そんな私を見て、壱月はケラケラ笑った。
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