13 壱月は頼れるCAP

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 花斗の隣で操縦レバーを握った壱月。  その向かいで、パイロットのお兄さんと並んで二人を見守る私。  どうやら、彼は壱月の後輩らしい。 「キャップが入るなら僕は必要ないですね」  彼はそう言うと機械をスタートさせ、そのまま見守る体勢に入ったのだ。  シュミレーターがスタートすると、どうやら椅子が振動するらしく「うわ」とか「わぁ」と声を漏らしていた花斗。  しかし、画面に地上が見えてくると、その目付きは真剣なものになる。 「いくぞって言ったら、一緒にレバーを動かす。いいな」  壱月のその言葉に、頷くだけで返事をした花斗は、両手でレバーをしっかり握っている。  それだけ見ていれば、とても微笑ましいのだが。  先ほど、壱月が現れた瞬間に驚きの声をあげた彼の後輩は、私たちと壱月を交互に見て、それから指でハートを作り小首を傾げた。  それを見た壱月が、私の肩を急に抱き寄せて「恋人だ」と宣言したもんだから、むず痒くて仕方ない。  今も、隣から好奇の視線を浴びているようで、なんだか居たたまれなくなる。
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