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◇◇◇
「ずっと前から、好きでした!」
それは高校最後の日、卒業式を終えた後の、私の一世一代の決死の愛の告白だった。
同じクラスで、頭がよくて、少しチャラいけど笑顔は爽やか。
そんな壱月が好きだった。
なのに。
「あーわり。俺、お前と付き合う気ねーや」
壱月はいとも簡単に私の告白を言葉のナイフで切り刻む。
それどころか──
「キスだけならしてやるよ。俺のこと好きなんだろ?」
そう言って、彼は強引に、私の人生初めてのキスを奪った。
そんな苦い思い出も笑い話に変えられるようになった七年後、壱月と再会した。
今度は、マッチングアプリで。
当時付き合っていた恋人と別れたばかりだった私に、姉が「いい人と出会えるから」と薦めてくれたマッチングアプリ。
使い方を指南されているうちに、あれよあれよという間にプロフィール欄が埋まり、登録完了。
そして、初めてマッチングしたのが、壱月だった。
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