6 突然のプレゼント

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 今日は、夕飯を壱月と二人で準備した。  なんでもしてもらうだけというのは、気が引けたから。  花斗は自分の椅子が出来たのがよほど嬉しいのか、ずっとそこに座っている。  ダイニングテーブルの上で飛行機のおもちゃを行ったり来たりさせて遊んでいる。 「愛音、思ったより手際いいな」 「そりゃそうでしょ、今まで花斗の分も作ってたんだから。花斗が不機嫌になるまでに作らなきゃだから、時短が第一」 「なるほど」  そう言いながら、壱月はコロッケを揚げている。  この人はコロッケまで作ってしまうのか、なんて感心していると、ちょうど最後のひとつがあがったらしい。  油のじゅわじゅわという音が消え、代わりに香ばしいじゃがいもの匂いが漂ってくる。 「なんだよ、じっと見て」 「いや、美味しそうだな~って」  壱月はケラケラ笑って、揚げたてのそれをひとつ、紙に包んでこちらに向ける。 「食えば? 味見」  そう言われて、差し出されたそれにかぶりつく。  サクっ、ほろっ、じゅわぁ~。 「ん、美味ひい~」 「だろ? 愛音の味噌汁も美味そうだけどな」 「……食べる?」  そう言うと、「うん」と短く答えた壱月は腰を折って私の方に顔をつきだし、口を大きく開いた。  え!? 味噌汁を!?  考えた挙げ句、人参をひと切れ箸でつまんで彼の口に放った。 「あっつ!」 「わ、ごめ……」  言いかけて、固まった。  いつからそこにいたのか花斗と視線があったのだ。 「いつき、あーんしてた!」
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