6 突然のプレゼント

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 なんてことを言うんだ、花斗は! 「ごほ、ごほっ!」  目の前で噎せ込んだ壱月は、涙目になりながら慌ててコップに水を入れ、ごくごくと飲み干す。 「だいじょーぶ?」  純粋な花斗の瞳に、壱月は親指を立てて無言で答える。 「いつき、僕と一緒。あーん、僕も好き」  花斗はキャッキャと喜んで、持っていた飛行機のおもちゃをかかげる。  それからびゅーんびゅーんとキッチンを一走りして、ダイニングへ戻っていった。 「……なんか、ごめん」 「いや、いい」  だいぶ落ち着いたらしい壱月は、また水を飲み干す。  が、視線は前を向いたまま、こちらに合わそうとはしなかった。  その頬がほんのり朱に染まっているのが見える。  どうやら、壱月は私と同じ気持ちらしい。  私も、今どんな顔して壱月を見たらいいか分からない。  そもそも、私もコロッケを壱月の手からパクって食べちゃったし……。  思い出したら頬が急に熱をあげた。  あー、もう、バカ! 何思い出してるの!  胸の内で自分にツッコんで、ふう、と息を吐き出す。 「こ、これ、盛り付けちゃうね!」 「お、おう」  私は急いで味噌汁をお椀に注いで、逃げるようにダイニングへそれを運んだ。  ダイニングでは、花斗が「コロッケ~コロッケ〜」と謎のコロッケの歌を歌いながら変なダンスを踊っている。 「ははっ。なんだよ、それ」  背後から、壱月の笑い声が聞こえた。  私は、なんだか三人の生活が楽しいと思ってしまった。
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