6 突然のプレゼント

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「明日はどこまで飛ぶの?」  訊けば、壱月は立ち上がり世界地図の日本を指差した。  その手は、右に緩やかな弧を描き、やがてアメリカの西海岸で止まる。 「ここ。LAX」 「またロサンゼルス?」 「そ」  そう言ってニカッと笑う壱月の顔が、花斗の笑顔と被る。  トクンと、心臓が跳ねた。  違う、違う。ダメダメ。  この人は、私を捨てた人。  たとえ懺悔をされたって、今さらお詫びをされたって、私が生きてきた道は……。  今までの花斗を一人で抱え生きてきた道を思い出す。  芽生えそうになった気持ちを誤魔化すように自分にそう言い聞かせて、私は曖昧な笑みを壱月に向けた。 「そっか、行ってらっしゃい」 「……ああ」  口調の変わった私に何を感じたのか、壱月の返事は歯切れが悪くなる。  それを無視して、私は「おやすみ」と壱月の部屋を出た。
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