7 甘やかされて傷付いて

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 ああ、またやってしまった。  この子の気持ちを、すくえなかった。  自分のことしか考えていない思考回路。  親でいるには、それではダメなのに。  花斗の心の成長が嬉しいはずなのに、胸に広がる嫌悪感。  この子の優しさの芽を、潰しかけてしまった罪悪感。  だから私は「ごめんね」の気持ちを込めて、花斗の隣に膝をつき、ぎゅっと抱き締めた。  ――私も、壱月の気持ちを素直に受けとれればいいのに。 「ねえ、花斗?」  まだ泣き止まない花斗に声をかけた。  すると、花斗は顔をあげる。 「お迎えは行けないけど、壱月に美味しいごはんを作ってあげよっか?」 「……」  花斗はこちらをみつめたまま、ぴくりとも動かない。  代替案を、飲み込めないのか。 「お手伝い、してくれる?」 「……うん!」  顔を覗くようにそう伝えると、今度は元気いっぱいに頷いた花斗は、ぎゅっと私に飛び付いてきた。 「お買い物、行こうか?」 「行くーー!」  花斗はさっと私から降りて、出掛ける準備を始める。  私も苦笑いを浮かべながら、その後に続いた。
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