7 甘やかされて傷付いて

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 部屋に入ってベッドにダイブする。  枕に顔を埋めると、布団を頭から被り叫んだ。 「あ゛ーーーーっ!」  こうやって、込み上げる思いを飲み込むのは何度目だろう。  育児のイライラの度にやってきたけれど、今回のそれは今までで一番酷いかもしれない。  それから喉元を両手で包んで、必死に涙を止めた。  こうすると、不思議と気持ちが落ち着くのだ。  花斗には、こんな情けない姿は見せたくない。  けれど、溢れ出した想いをその場で飲み込めるほど、私は強くない。  花斗の前では強い“ママ”でいたいのに。  しばらくして落ち着きを取り戻した私。  花斗とお風呂に入り、寝かしつけた。  新しい飛行機のおもちゃを抱きしめたままの、幸せそうな寝顔を見ながらその髪を優しく撫でる。 「ごめんね、花斗。こんなことで心の余裕がなくなるなんて。ダメだなぁ、私」  すやすやと寝息を立てる花斗。  見ていると、自分の小ささにため息がこぼれた。  その時、部屋の扉が控えめにノックされる。  私は部屋の扉をそっと開けた。 「花斗、寝た?」  内緒話をするような声で、壱月が言う。  リビングの明かりに照らされた彼の顔は、暗がりの中でも困ったような顔をしているのが分かる。  私がコクンと頷くと、続けて壱月は私に言った。 「ちょっと、いい?」
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