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そんなことを思い出しながら、私は、"今度こそ"と、パウダールームの外へ足を踏み出した。 "自分よ、いつも通りに、普通に…" そう、心の中で唱えながら、私は、自分の職場である、営業5課のフロアに行った。 「おはようございます」 「おー、中松か。おはよう」 私の挨拶に応じてくれたのは、課長の戸田 謙一だった。 「戸田課長、おはようございます。朝早いですね」 「おうよ。最近、早くに目が覚めちまうんだ。これも年だろうなぁ」 "でも、今日なんか、早宮と小附はより早いんだから、本当、尊敬するわ" 「へ?」 思わず、変な声が出た。 「中松、お前、知らなかったのか? あの2人、今日は新しいプロジェクトを始めに、朝早くから出張だよ」 確かに、フロアを見渡しても、早宮さんの姿は見当たらない。 ちなみに、小附さん-小附 蓮翔(こつき れんと)は、早宮さんの同僚で、営業成績2位、しっかり者の性格で、次の課長候補であり、早宮さんとは切磋琢磨している。 営業5課の要である2人が一緒なら、より素晴らしい提案をしているだろう。 "いやいや、それはいいとして…" …出張? …出張って言った? しかも、“朝早く“から? "早宮さん、昨日、そんなこと、一言も言ってなかった…"  
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