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トゥモローシードセンター
ーミイー
私を呼ぶ優しい声が聴こえる。
優? 優なの?
お願い、待って!
嘘なの。気になる人ができたなんて嘘。
ずっとあなただけ。
あなたしか好きじゃない。
愛してるの。だから行かないで。
ずっとそばにいて!
……もう何度となく繰り返し見た夢。
自分から別れを告げたのに、NYへ旅立つあなたを追いかけたくて、行って欲しくなくて…
「久しぶりに見たな……」
優と別れてもうすぐ3年。最近では殆ど見なくなっていた夢だ。
私の学生時代の全てに彼はいた。共に過ごした時間は長すぎて、一緒にいるのが当然だと思っていた。別れの日が来るなんて考えたこともなかった。
でも私達は別れたのだ。
自ら手放した私の初恋。
◇
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