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「待てよ!斉藤!」
僕は林の中へ歩く斉藤を走って追いかけた
「おい!」
僕は後ろから斉藤の肩をつかみ再び呼んだ
「…なんだよ!」
怒り口調の斉藤は返事をしながら後ろの僕へ振り向いた
…グルン
後ろを振り向いたのは斉藤の頭部だけ
「さ…斉藤?」
頭部だけがグルリと振り向いた斉藤の顔は真っ白く白眼をむいていた
僕は恐怖のあまり斉藤から手を放した
斉藤はゆっくりと林の闇へ消えて行く…
「や…やばい!マジやばい!」
あまりの恐怖に僕は林の中へは行けなかった
「どうしよう…とりあえず電話を…」
僕は慌てて車へ携帯を取りに走った
ドアを開けシートに座り震える手で友人へ電話をした
「あ!もしもし?もしもし?オレなんだけど…」
慌ててるからか恐怖からか言葉が上手く出てこない
「斉藤…斉藤が…」
事情を友人に説明しようとした時だった
「ちょ…ちょっと待って?
あ!またかける!」
僕は友人へかけた電話を切り車から出た
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