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そして、謁見が終わったあとは子供たちだけのお茶会になった。あんなことがあったから延期とかになるのかなって思ってたけど……。陛下たちも「楽しんできなさい」と快く送り出してくれたので、四人で王宮のサロンへ向かう。
サロンには大きな窓があって、綺麗なお庭が見えててめちゃめちゃテンションが上がった。お茶会したあと、遊びに出てもいいらしいので楽しみだ。
「改めて今日はお招きいただきありがとうございます」
「ありがとうございます!」
庭や部屋の内装に見蕩れていると、ブラッド兄様がちゃんと挨拶をしてて、慌てて一緒になって挨拶をする。
「こちらこそ、よく来てくれた」
「楽しんでいってね。美味しいお菓子も沢山あるから」
「おおお菓子!!たくさん!!」
やったぁ、嬉しい!!前のお茶会は俺がマカロンを喉に詰まらせたせいでほとんど食べられなかったし……。今日は王宮の最高級スイーツが腹いっぱい食べれると思うと!!ワクワクで思わずぴょんと跳ねてしまう。
そんな俺を見て、エドワード殿下は「ふはっ」と小さく吹き出した。
「ジェリから『ルドルフは無類のお菓子好きで、”お菓子”という単語には必ず反応する』って聞いていたけど、本当に反応した……はは、本当に好きなんだな」
じ、ジェラルド様そんなことエドワード殿下に言ってたの……!!!!?そう思われてたのも、言われてたのも恥ずかしすぎる。
ボフンっと顔を赤くした俺を見て、エドワード殿下は更にお笑いになる。
謁見の間で自嘲するように笑っていた以来、エドワード殿下の笑顔は見てなかったので、そこは嬉しいけど、でも恥ずかしい。
その恥ずかしい感情をどこに持っていったらいいか分からなくて、頬を膨らませてむくれると、ブラッド兄様が苦笑しながら頭ポンポンしてくれる。
「ごめんね。兄上に聞かれた時、すぐ思いついたのがそれだったから……。もう、兄上もそんなにルドルフのこと笑わないであげてくださいよ」
「あぁ、悪いな、嫌な意味で笑ったわけじゃないんだ」
恥ずかしかっただけで、別に嫌だったわけじゃないので、むくれるのをやめて、「俺の方こそ、礼儀がなってなくてすみません」と謝った。
「今日はプライベートな茶会だから、二人とも礼儀など気にしなくて構わない。さっきの詫びと言ってはなんだが……、心ゆくまでたくさん食べていってくれ」
エドワード殿下がそう言うと、メイドたちがバッと部屋に入ってきて、色とりどりのお菓子を並べていく。
ケーキ、プリン、エクレア、シュークリーム……。
そして、真ん中にデデーンと聳え立つ大きな山のお菓子は…………マカロン!!!
「ほわぁぁぁぁ!!」
さっきまでのやり取りを全て忘れてはしゃぐ俺を、三人は笑いながら見守っていた。
ワクワクお茶会、スタートです!!!!!!
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