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松音への通達が「最後通告」だったことを考えると、当家の方でも一清に直接コンタクトを取ったのは、「それを踏まえて」という意味合いが、多少なりともあったのかもしれない。そして一清から松音の状態を聞き、「もしもの時は」と、一清の意思を確認した。一清も待ってましたと、これを承諾した……。
全ては、一清のひとりよがりな企みと。幼い頃から跡継ぎとして縛り付けておきながら、「反撃」されたことで最悪の場合は見捨てようとしている、当家の勝手な思惑が原因ということか。松音は完全に、その「勝手きわまる思惑のぶつかり合い」に巻き込まれてしまったんだな……。
一清は自分でも言っていたように、初日から俺が「3姉妹」に、男性との交際など詳しいことを聞くとは予想していなかった。だから、「松音が今のままでいられる方法を」と依頼して、帰るつもりだった。松音が下位の人格になろうと、松音の精神が崩壊しようと、「跡を継げる道」を確保した上で。野見山家の跡継ぎになるには、それが一番「確実な方法」であることは、間違いないのだから……。
ここまでこの案件を振り返ってみて、俺は改めて、自分の「成すべきこと」に確信を持った。一番の「被害者」である松音を、なんとしても助けること。正直、竹乃や梅香に関しては、どうなるかわからない。だが、「松音が松音でなくなってしまう」ことだけは、防がなければ……!
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