王子様のような普通の男の子と再会したらどうなるの?

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振り返るとそこには王子がいた。 ものすごく近い まるでバーゲンセールで周りの人と体が鞄があたっていても全然気にしていられない位の時の近さ。 今はめっちゃ気になるよ 汗とか額にぴったりと張り付いた髪の毛とか。 リップ塗るべきだった 急いでいたから後でいいとか思ってしまっていたのだ 王子は涼し気な顔をしている。 気のせいだろうか、ついこの間まで高校生だったのに、落ち着いて見える。 『何を見ていたんですか』 会えればいいな、とか思っておきながらこの体たらく …体たらくってお母さんよくいうけど、言葉の使い方もあってるけど どういう意味なんだろう 体が楽なのか? (多分全然違う) 『あの…僕邪魔でしたか?』 『あっごめんごめん』 我にかえる。 王子になんてことを 『この道、この季節になると毛虫がすごくてさ』 ボタボタ上から落ちてくるの。 『刺さったら大変らしいから気をつけて』 『はい…えと、毛虫は人を刺すんですか?』 あれ? 確かに、蚊とか蜂って刺すときくけど せみとか毛虫って刺すのかな? よくわからなくなりながら 『まあ、危ないって聞いたし』 『今からこの道を通るんですけど』 だっ駄目だ、阻止しないと! 『いい迂回ルールがあるの、案内してあげる』 『…ありがとうございます』 かくして私は約束通り、彼にキャンパスを案内することになった。
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