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ノウサギの草むらの巣に、赤ちゃんウサギは待ち続けていた。
「あんた、いいこでいるのよ。すぐに戻ってくるからね。」
お母さんウサギに言われた通り、赤ちゃんウサギは草むらの巣でじっと踞っていた。
1時間経過・・・
2時間経過・・・
3時間経過・・・
4時間経過・・・
遂に夕暮れになって真夜中の帳が降りても、お母さんウサギは帰ってこなかった。
次の日朝があけ・・・
昼になり・・・
夜になり・・・
次の日は雨が降り・・・
雨が止み・・・
晴れになり・・・
3日経過・・・
5日経過・・・
10日経過・・・
「お腹がすいたよ・・・何時お母さん帰って来るのよ・・・」
遂に赤ちゃんウサギはお母さんウサギを待つのが耐えきれなくなった。
赤ちゃんウサギが外に出ようとした。
「そうだ!!お母さんが言ったっけ!!外に出たら、悪いキツネや悪いカラスにやられるから、中でじっとしてなさいって。」
赤ちゃんウサギはまた巣の中へ戻った。
お母さんウサギを辛抱強く待つ赤ちゃんウサギ。
更に1時間・・・3時間・・・6時間・・・
向こうから、他の動物達の世間話が聞こえてきた。
「あそこのウサギの奥さん、キツネに襲われて食われたらしいわよ!」
「奥さん死んじゃったら、赤ん坊どうなっちゃうんだろうねー!」
そんな世間話を赤ちゃんウサギの長い耳が聞き取ってしまった。
「ええっ・・・嘘?!」
赤ちゃんウサギは、巣から残りの力を使って這い出た。
「お母さん・・・」
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