BAR『かげろう』

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 夜の東京‥‥  その街はずれの‥‥  寂しい、一角で‥‥  1台のタクシーが止まった。  中年の男が一人、降り立つと、傍の路地を入って行った。  そこにミステリアス感満点のZビルが在った。  ドアを開けて入ると、長い廊下が暗い奥へと続いていた。  それは丸で、異世界へ向かう道のようだった。  暗い廊下に男の靴音だけが響いていた。  やがて闇の中に突き当たりが見え、木製のドアらしきものが見えてきた。  男が到達し、そのノブを押すと、同様に薄暗い店内が現れた。
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