BAR『かげろう』
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東京に着いた少年はタクシーに乗り、Zビルに向かった。 Zビルに入った少年は、暗い廊下を進んだ。 が、その奥に例のドアは無かった。 「そうか‥‥僕が少年の頃には、まだBAR『かげろう』は無いんだ‥‥」 少年はションボリとZビルを後にした。 もう周りは暗かった。 無数にある街灯が照らす中、少年はトボトボと歩きつづけた。 「もう、僕の帰る家は、何処にも無いんだ‥‥」
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