大丈夫

2/2

16人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
結局私の猛反発によって結愛が伴奏をすることになった。 その日の放課後、私はふと思いたって、音楽室へ足を運んだ。するとそこには、神崎結愛がいた。 ニュアンスたっぷりの髪をなびかせて、ピアノの前に座っていた。 「美琴……。ありがとう」 「え?」 「私のピアノに価値をくれて、ありがとう」 「え?」 先程と全く同じ声が出た。 次の瞬間、辛さから隠し、忘れてきた思い出が沸き上がる。 「結愛、あなたは、あの時の……!」 「……正解」 そういって笑う彼女の顔は確かに、ゆーちゃんの顔そっくりだった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加