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笑顔 と 花束
八雲川卓也、二十三歳、実家暮らし。
職業、週に四日のコンビニバイト。
最近、店長から「バイトリーダーにならないか」と、誘いを受けている。
趣味は漫画を描くこと。
これが僕の現状だ。
それと、もう一つ。
中学から今も変わらず、ずっと好きな子がいる。
「いらっしゃいま……あ、八雲川君。そろそろ来る頃だと思ってた」
「こ、こんにちは。いつもの……お願いできるかな?」
パッと咲いた花のような笑顔で店先に出てきたのは、満田花絵。
彼女こそ、僕が想い続けている女性だ。
この日、僕は花絵が働いている花屋にやって来た。
花柄の淡いピンクのエプロンがよく似合う花屋の店員。
まさに天職だ。
この店に初めて来た時、花絵は高校の卒業式以来だと懐かしがっていた。
そんな彼女に、部屋に飾る花を探しているけれど、あまり詳しくないと伝えると、数本の花を見繕見繕ってくれた。
それ以来、月に一度、ここに花を買いに来ている。
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