命さえも
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ふと、右手首に春が訪れました。 どこかへ行っていた私の意識が戻ります。 その温かな感触は、ずっと昔に忘れてしまっていたものでした。 もう、当時の私は人の言葉を聞き取ることすら上手くできませんでした。なので、あなたが私にかけてくれた言葉も、あの時は分かりませんでした。 今なら分かります。 あなたは私に、大丈夫ですか、と言ってくれていたのですね。
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