出会い

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「ほんとは死にたいしあんまり毎日楽しくないんだ」 そういった彼女だったが表情は笑ったままだった。 「じゃあなんで今も笑顔なんだ? 死にたい人の表情には見えないぞ」 「この仮面のせいでどんな時でも笑顔になっちゃうんだ」 「なんか不気味だな」 「私もそう思う」 その話を聞いて仮面を受け取らなくてよかったと本気で思った。どんな時でも笑顔だなんて不気味にもほどがある。なんてものを人にかぶらせようとしてたんだ。 「だからこの仮面外したいんだ。協力してよ!」 「嫌だよ、めんどくさいし」 「君しかわかってくれる人がいないんだよ!」 「だから嫌だって、他をあたってよ」 僕がそう言うと彼女はおもむろに仮面を取り出しそれを僕にかぶせようとしてくる。 「無理やりでも協力してもらうよ、かぶってよ」 「嫌だよ、やめてってば」 彼女の猛攻にこのままピエロにされてはたまらないと思った僕はピエロにされる前に降参することにした。 「わかった、わかったから落ち着こう」 「わかってくれたならよかった」 そういって彼女は仮面をかぶせようとするのをやめてくれる。意外と物分かりはいいようだ。 「それで、仮面はどうやったら外れるんだ?」 「わかんない、だから一緒に探してほしいの!」 彼女のその言葉についため息がこぼれる。どうやら僕はとんでもないことに巻き込まれてしまったようだ。これから終わりの見えない情報集めが続くのかと思うと憂鬱になる。 「今日は遅いから続きは明日にしてくれ」 「わかった、じゃあまた明日ここに来るね」 そういって彼女はどこかへと姿を消してしまった。 僕は悪い夢でも見たと思い寝ることにした。
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