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「君の名前はなんていうの? 私は里中杏。杏って呼んでね」
「僕は田口優。優でいいよ。隣の君は?」
「僕は山本翔。好きに呼んでくれ」
「翔に杏か、いい名前だね」
自己紹介を終えた後、僕は気になっていた疑問をぶつける。
「今どこに向かってるんだ?」
「それは秘密さ」
どうやらついてからのお楽しみというやつらしい。目的もわからず歩きたくない僕からしたらいい迷惑だ。
それから10分ほど歩いたところで優はゲームセンターに入っていく。
「こんな時間にゲームセンターで何するんだ?」
「いやあ、したいことはないんだけどね。友達と来てみたかったんだ」
「じゃあプリクラでも撮らない?」
僕は断固反対したが二人に無理やり撮影ブースへ連れ込まれる。そして、様々な指示に従って写真を撮られる。数枚の写真撮影でこれほど疲れたのは初めてだ。
「いやー、いい写真が撮れたね!」
「そうだね、初めての体験で新鮮だったよ」
僕とは反対に二人はとても楽しんだようだ。
「このプリクラは二人にプレゼントするよ」
「僕はいらないから君が持って帰れば?」
「そうしたいのはやまやまなんだけど見つかったら怒られちゃうんだよね。だから翔君にプレゼントするよ」
「怒られるっていうのはどういうことなの?」
杏の質問に優は「場所を変えよう」と言いさっきの公園まで戻る。
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