婚約を破棄してほしいと願うのに

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 はにかみながらアマリアは応え、手を繋いで歩き出す。 (温かくて、骨ばった、大きな手。マルティナ様とは違う……)  歩くにつれて、ふたりの距離はゆっくりと縮まっていく。  その遥か上。紺碧の空には、無数の星が煌めいていた。  ルーカが筆頭騎士として隣国まで名を轟かせ、アマリアがその妻として彼を支え続けるのは、遠くない未来の話。
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