あの女

1/1
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ

あの女

あの女の名前は確か…愛生(あおい)とか 言った気がする。 正直思い出したくもない。 あの女はいきなり僕と蓮さんの前に現れた。 あの日は不思議な天気だった…晴れているのに 雨は凄い勢いで降っている。 僕はその日何故か嫌な感じがしていた。 その嫌な感じが当たってしまったのだ。。。 あの女は道に迷っているようだった… いや、迷っているふりをしていた、と 言った方が正しいだろう。 あの女は蓮さんに近付いていき、 道案内してもらって良いですか?と 体をピタッと蓮さんに付けながら言っていた。 そのときの、蓮さんはまだ、心底嫌そうな顔を していたけど、女は気付かないふりを していた。 蓮さん行きましょう?と僕が声を掛けると うん。と言ってその場を離れ、その日はそれで終わった。と思っていた。 なのに…翌日蓮さんは何故か暗い表情を していた。 蓮さん?どうかしました?と聞いても、 大丈夫だよ…と暗い声で言われるだけ。 絶対大丈夫じゃないでしょ…。なんて 思っても僕は言うことは無かった。 蓮さんならどうにか出来ると思っていた。 なのにいつの間にかあの女に蓮さんを… 蓮さんを奪われていた。。。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!