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あの女
あの女の名前は確か…愛生(あおい)とか
言った気がする。
正直思い出したくもない。
あの女はいきなり僕と蓮さんの前に現れた。
あの日は不思議な天気だった…晴れているのに
雨は凄い勢いで降っている。
僕はその日何故か嫌な感じがしていた。
その嫌な感じが当たってしまったのだ。。。
あの女は道に迷っているようだった…
いや、迷っているふりをしていた、と
言った方が正しいだろう。
あの女は蓮さんに近付いていき、
道案内してもらって良いですか?と
体をピタッと蓮さんに付けながら言っていた。
そのときの、蓮さんはまだ、心底嫌そうな顔を
していたけど、女は気付かないふりを
していた。
蓮さん行きましょう?と僕が声を掛けると
うん。と言ってその場を離れ、その日はそれで終わった。と思っていた。
なのに…翌日蓮さんは何故か暗い表情を
していた。
蓮さん?どうかしました?と聞いても、
大丈夫だよ…と暗い声で言われるだけ。
絶対大丈夫じゃないでしょ…。なんて
思っても僕は言うことは無かった。
蓮さんならどうにか出来ると思っていた。
なのにいつの間にかあの女に蓮さんを…
蓮さんを奪われていた。。。
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