王子の仮面

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「そーいや、今日は凌くん帰ってくるって。円に会いたいって言ってたから、もうすぐ帰ってくんじゃねぇかなぁ?」 「はぁ!?バカそーゆーことは早く言えっ!」 律の言葉に、ソファに寝そべってゲームに没頭していた円が慌てて起き上がる。 「帰る!」 「あはは 凌くん嫌われてんなぁ~♪」 「当たり前だろ!あの大魔王め。ぜってぇ会わないからなっ」 "凌くん"というのは、律の実の兄である。3つ年上の兄は現在大学1年生であり、マンションで一人暮らしをしている。 そして、たまーに気まぐれに帰って来るのだ。 「ま〜どかちゃん?今俺のこと大魔王って言ったよねぇ?」 声のした方に視線を向ける。 と、律に負けるとも劣らないキラキラとした笑顔で、凌が立っていた。 「…くっそぉ~…」 凌の姿を認め、円ががっくりと肩を落とす。 「何だよその反応。マジで失礼だぞ?」 「凌くん今戻ったの?」 ソファに座ったまま律が凌を見上げる。 「おぅ。下で真っ赤なババァに捕まったけどなぁ」 そう言ってニッと笑い、律の頭を軽くポンポンとなでた。
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