私の好きな人

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私の好きな人

やだぁかわいい~♪ きゃ~あははは… 「マジだって♪俺ナオさんの玉子焼きすげぇ好きなの。いつも楽しみにしてんだよ?」 「りっくんになら一生作る~♪」 「アヤのスープも好きって言ってくれたじゃーん!?」 「うん♪アヤさんのスープ最高だよね?俺の健康、気遣ってくれてるなぁって、すげぇ愛情感じる」 爽やか笑顔全開で、いつも女の子に囲まれている彼。 色素の薄い、ふわっと軽くて柔らかそうな、ゆるくクセのある髪。 少し長めの前髪から覗く綺麗な二重の目は優しく、鼻筋から唇、顎にかけてのラインはまさに黄金比。 整ったルックスと高い身長にスラリと長い手足。 若干16歳とは思えないこの人当たりの良さと色気も、彼の人気の秘訣である。  ゆったりとした身のこなしは育ちの良さを感じさせた。 神は二物も三物も… 彼に与えたのだ。 周防 律(すおう りつ) まるで物語の中から飛び出してきたかのような この王子様が… 私の好きな人。 「夜。よーるっ!」 「何っ!?」 「顔。怖いよ…」  呆れ顔で親友のクマちゃんが言った。  阿川 夜子(あがわ よるこ)16歳。  奥澤高校1年9組。彼氏なし。 好きな人…王子様。
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