言葉を使わない少女

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「キミも、エラントに関しては知ってるよね?あれは危険だ。魔力を持たない一般市民が倒せるようなものではない。それに、先程のエラントはおそらくD級だ。偶然通りかかった魔法士でも苦戦するレベル。なのに、俺が来た時には跡形もなく、エラントも倒したと思われる人物もいなかった。でも、キミは見てるはずだよ。そこにいたのだからね」 いきなり核心に迫る質問。答えられるわけがない。ハロの存在も教えることになる。そんなことできない。 私は首を横に振る。知らないという意味を込めて。 「いや、嘘だね。キミは知ってる。俺に嘘は通じない。俺は嘘可視化というセカンドスロットを持っている。俺に嘘は通じない。正直に言ってごらん。別に責めてるわけじゃないんだ。俺は本当のことが知りたい」 そんなこと言われても言えない。 スマホにポチポチと文字を打つ。 『エラントはよくわからず消えたんです』 「それも嘘だ。ねぇ、なんで本当のこと言ってくれないの?俺が信用できない?俺は、事の詳細が知りたいんだ。上に報告もしなきゃいけない。キミしか知らないんだよ。無理矢理頭の中を見る方法だってあるけど、俺はそんなことしたくないんだ。もしかして、誰かを庇っているのかい?」 答えられず俯く。嘘が見えるなんて、そんなのどうしようもない。どうすればいいの?言葉を使えば・・・。 「もういいよ、コトハ」 フードの後ろからハロの声がする。 「誰だ!!」 エレインさんは立ち上がり戦闘体制に入った。モゾモゾとフードが動く。 「は、ハロだめ!」 静止も聞かず、ハロがフードから飛び出した。 「竜種・・・だと」 「そうだよ。僕はハロ。僕から教えるよ。事の詳細を。その方がきっと早いだろうしね」 「でも、ハロ・・・」 「大丈夫!誰もボクを捕まえることも、殺すこともできやしないさ。ボクは一応、ここの一番偉い人と知り合いだからさ」 「総司令官と・・・?」 「そうだよ。嘘だと思うなら確認すればいい。でも、オマエにはボクのこの言葉が嘘がどうかわかるはずだよ」 「・・・たしかに嘘はついてないね。わかった。じゃあキミから話を聞こうじゃないか」 ハロは事の詳細を嘘偽りなく話した。私のこの言葉のことも。エレインさんは、真剣に聞いていた。ハロが嘘を言っていないと見ているからだろう。 「なるほどね。大体はわかった。エラントについては上に報告するとして、もう一つ問題が増えたね。キミのその言葉について」 魔力を持たない私がこんなの使えるなんておかしいもんね。研究対象とかになるのかな?痛いのは嫌だなぁ。 「俺の見解から言うと、キミは多分魔力持ちだ」 「・・・え??」
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