言葉を使わない少女

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思わず声が出た。だって、生まれてすぐの魔力検査では、魔力なしって結果が・・・。 「後天性で魔力を持つ事例はないけど、魔力持ちでなければ、そんな力があるはずがないんだ。だから、もう一度魔力検査をしてほしい。それではっきりわかるはずだ」 魔力検査・・・。受けて何か変わるんだろうか。人も天候も時間すらも操ってしまうこの力の正体がわかるのだろうか。知るのは怖い。でも、知らない方がもっと怖い。ずっとこのままは嫌だ。 私は意を決してはっきりと頷いた。 「じゃあ準備してくるよ。ちょっとだけ待っててもらえるかな?」 コクリと頷いた。 エレインさんはすぐに帰ってきた。2人の研究員らしい人を連れて。 「この人たちは検査の立会人だ。安心していい」 私はペコリとお辞儀した。 「では、こちらの水晶に手を置いてください。魔力があれば、適正属性の色に光ります」 立会人の一人が説明してくれる。怖くないと言えば嘘になる。だって、これの正体がわかるかもしれないし、もしかしたらわからないかもしれない。 私はそっと右手を水晶に乗せた。その瞬間水晶は一瞬、強い光を放ったかと思えば何事もなかったかのように光らなくなった。 光らないってことはおそらく・・・。 「魔力なしですね」 立会人の一人がそう告げる。やっぱり私のこと力は異常なものなんだ。私は、どうすれば・・・。 「いや、ちょっと待ってくれ」 落胆し掛けた時、エレインさんが待ったをかけた。何事だろうと、私も立会人の人もエレインさんを見る。 「この水晶は魔力がなければ光らない」 「はい?ですから魔力なしと・・・」 エレインさんがなにを言いたいのか、私も立会人の人もわからない。水晶は光らなかった。だから、私は魔力を持っていない。 「じゃあ、さっきの光は?あの一瞬の強い光。あれを無視することはできないよ。俺の測定を見ててごらん」 そう言ってエレインさんは、水晶に手を乗せた。水晶は、先ほどの光よりは少し弱い光を放つ。その光は赤、青、黄色をしていて、ゆらゆら揺れていた。 「普通ならこう言う感じなんだ。俺の場合はまた特別なんだけどね。で、魔力がない者であれば光るはずがないんだよ。ほんの一瞬でさえも」 じゃあ、私が測定した時のあの光って・・・。 「これは俺の予想なんだけど、キミの魔力はこの測定器が測れないほどに大きいんじゃないかな」 「し、しかし、あの光の属性は見たことがありません。それに、総司令官より大きな魔力など見たことが・・・」
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