言葉を使わない少女

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こんな年になって撮影会っていうのもちょっと恥ずかしいけど、お父さんもお母さんもなんだか嬉しそうだからまぁいいか。でもたまに、私の写真をどこかに送っているらしい。前に、写真の厳選して封筒に入れていたのを偶然見かけてしまった。なんか、聞いちゃいけないような気がして未だに聞けていない。 もしかしたら、私の知らないところで、親バカを発揮してるのかも知れないけど、それはそれでちょっと恥ずかしいな。きっと、いつか聞ける日が来ると思う。 そんなこんなで一日が過ぎていく。同じ毎日だけど、でも私はこの日常に満足している。だって、幸せだから。何か足りないような気もするけど、知らない方がいいと思う。たまに夢に見る知らない人の優しい声も・・・。 次の日、目覚めは最悪だった。悪夢を見たのだ。ハロとの散歩中、よくわからない者に襲われる夢。こういうのはたまにある。夢だったり、普通に頭の中で映像で出てきたり。そのほとんどが現実で起こる。一種の予言のようなものなのだろうか。 でも私にはそんな力ないから偶然だろうと、いつも言い聞かせる。だって、一般人にそんな力あるわけないもの。 「気をつけてね!」 「うん、行ってきます」 ハロに手を振って部屋を出る。両親には、一度顔を見せてから家を出た。空は快晴だ。目覚めの悪さも吹き飛ぶくらいの。 今日は、ハロと散歩する約束だからよかった。きっと、気持ちいいだろう。 どこ行こうかなって考えながら、いつも通り静かに学校を終える。素早く帰り支度をして、学校を出た。ハロが待ってくれているし、私もハロとの散歩が楽しみなのだ。 「ただいま」 「おかえり!待ってたよ!早く散歩行こうよ」 「うん!」 まず部屋へ行き、荷物を置いた。制服から私服に着替える。ハロと出かけるときはいつも大きめのフードがついたパーカーにしている。ハロが隠れるようにだ。ハロは一応は竜種である。だから他の人に見つかると色々と騒がれるのだ。 「ハロ、行こっか」 「うん!!」 必要最低限の荷物だけ持つ。ハロはフードの中へ入ってきた。 「どこ行きたい?」 「うーん、そういえば何も考えてないや。コトハは?」 「私も何も思いつかないな・・・。じゃあ適当に歩こうか」 「うん!」 私は、足の赴くままに街を歩いた。展覧会や、水族館など、あまり行かないようなところにも。その途中で、少し広い公園で休んだ。あまり人がいない端っこなら、ハロに気がつく人もいないだろう。 「んー!!やっぱり外っていいよね」 「ハロは本当に外好きだね」 「だってスッキリするんだもん」 楽しいなら私も嬉しい。私は別に外は好きじゃないけど、でもハロが楽しいのは嬉しいのだ。 「次どこい───」
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