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徐々に性を意識し始める年齢をちゃんと女の子として過ごして来た私は、もう間もなく成人を迎えようとしていた。
幾度も火傷を繰り返したヘアアイロンを片手に鏡を前に立つ。
今日は海遊びをきっかけに何故かよく時間を共にするようになった6人のメンバーと久しぶりの再会の日だ。
あの時の男子は男性へ、女子は女性へと変化した姿を見せる、いわゆるお披露目パーティーのようなものなんだろう。
中学の時より成長した自らの身体のラインに沿った洋服を身に纏い、邪魔くさいロングの髪は緩やかなカーブをつけて垂らす。高校生になってようやく覚え始めた化粧は随分と上手に顔に馴染んでいる。
鏡の前で「女の子」を確認した私は、小ぶりなハートマークが付いたハンドバックを手に、地元行きの新幹線へと足を運んだ。
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