海底のわたしへ

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幼い頃から、戦隊ヒーローものが好きだった。 可愛らしいピンクのスカートを見てもときめく事はなくて、赤色の速く走れる靴が欲しかったし、短く整った髪型に憧れを持っていた。 小学生らしい恋のお話に興味は無いのに、電車内の格好いい男性のポスターを見て、その身なりを真似して父の服を漁ることはあった。 その欲望が果たして「何」なのか知る前に、「普通とは違う」と認識してしまったのはたぶん、中学1年の夏休みだ。
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