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次候~鴻雁北 (こうがんきたす)
4/11
衝動的に買ったペチュニアとマリーゴールドが偶然ウクライナカラーになっていました。
青と黄の花を贈らん勁き人に
「つよき」と読みます。勁草という言葉があるように攻撃力じゃなく、忍耐力がある感じです。
旅の話の続きです。浜辺で夜明けを待っていた時、スマホのコンパスアプリで真東を探したら、写真の山の方でした。
外にずっと出てるのは寒かったので時々車から出て眺めていました。
春の朝日々繰り返す奇跡かな
再び妄想彼女が起動します。
彼女:昔の映画で少年たちが貨物列車で旅をするのがあったの。
コンテナを数えるふりをしながら、
『君となら貨物列車も悪くない』とつぶやきました。
この列車、ググればいろいろわかるかもしれませんが、それは野暮というものです。
海岸のトイレ兼更衣室でしょう。凝ったデザインの堅固な造りが海風と潮のしぶきに鍛えられているのが魅力的でした。早起きの海鳥が波と戯れています。
鳥風や海に向かいし要塞か
彼女:こんなデザインのカフェとかいいかも。『仲のいい老夫婦が常連さん』
わたし:モチーフはいいけど、「仲のいい」は要らないかな。
古びたるカフェにいつもの二人客
彼女:どんなお客かは読者で想像してください、あなたの経験次第ですって感じね。
わたし:季語がないから恋愛句だねー
新潟県糸魚川市能生の道の駅で蟹を食べました。丸ごとの蟹も盛んに売っていて、海岸で食べている人もいました。わたしはむしるのも面倒に感じて、きれいに身にした定食にしました。……彼女は5分以上迷って同じものにしました。
彼女:『味見させてお母さんの口癖や』そう言われるのが嫌で、同じものにするの。
わたし:初切れ字だね。でも、なんか関西弁みたい。
春の蟹貪らざるも意気地なく
わたし:「むさぼらざるも」って3回言って。
彼女:むさ……食べてからね。
ずらっと並んだお店の前を通ると妙齢の女性が順々に声をかけてきます。
苦手です。めずらしく一人旅でなければと思います。
店員さん:新鮮なのゆでるよー
彼女:なんてカニですか?
店員さん:紅ズワイですよ
彼女:紅色じゃないなー。オレンジズワイじゃないの?
店員さん:あはは、おもしろい子だねー
彼女:ほらほら、あんたはどれがいい?
わたし:いや、ぼくはいい
わらわらと客引き引く客春昼や
名立谷浜S Aです。妄想彼女は首を傾けてオブジェを見ています。
わたし:どうしたの?
彼女:なんかね。ーーああ、そうか。横泳ぎしてるんだぁ
わたし:なるほどね。じゃあ、穴は?
彼女:もちろん目だよ。三つ目だね。
わたし:こんな感じ?
春の陽に古生生物輝きぬ
彼女:そう来たか。『空と海もう一つは何を見る?』
わたし:はてなマークって上級テクニックかも。
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