乙女、異世界へ

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乙女、異世界へ

 動物性、植物性の自然毒から、化学物質による劇薬、劇物まで。  現代日本で毒物オタクだった(ひいらぎ)アンナ28歳は、名門大学の薬学部を首席で卒業し、『抗毒血清(こうどくけっせい)』に関する卒業論文では、〖最優秀学生論文賞〗に輝いた才女である。  卒業後は、志望していた大手製薬会社の研究員として採用され、これまた希望する研究施設で、卒業論文のテーマでもあった『抗毒血清』の最先端の研究室に配属された。  恋人はここ4年ほどいないが、人生としては順風満帆な方である。  しかし、真面目に生きている独身女に――  前触れなく、事前告知なく、何かの拍子に、  天は裁きを下すのだ。
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