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「だから、メイクもファッションも楽しくやってるよ。蓮くんがあんまり気にしなくていいって言っても、私は続ける」
「僕だって、千鶴さんにはお化粧できれいになってほしいですし、お洋服だってかわいいほうがいいです」
「気を遣ってくれるのは嬉しいけど、そう言ってもらえると嬉しいかな。がんばろうって思えるし、どうだって見せつけたい」
「これからは僕も、もっと見た目にこだわったほうがいいですね。千鶴さんばっかり大変だって思うんじゃなくて、僕だってがんばってかっこよくならないと」
今までは僕自身の見た目なんてどうでもいいと思っていた。
僕はただ健康でいて、いざというときに千鶴さんを守れる体力を備えておけばいいと、そう思っていた。
「私は今のままでもいいと思うけど、蓮くんのがんばりを見てみたいとも思うね」
「なにかリクエストはありますか? その、ひげ以外で」
「それを自分で考えるんだよ。私に聞かずに私の好みを反映させなきゃ」
難しいけど、千鶴さんはずっとそれを考えていたんだ。
しかも僕の好みを正確に把握してくれているんだから、感服のひとことに尽きる。
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