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 ぼくには、予知能力があるのです。  と言ったら、みなさん、信じますか?  信じないでしょうね。  ええ、ぼく自身も、そんなこと信じていません。  でも、予知能力はないにしても、なにか変てこな能力はあるようなんです。  あるいはそれは、能力ではなく、単に相性なのかもしれません。  こういうことです。  ぼくは、ミニロトの二等の数字を当てることができるのです。  ただし、A銀行のB支店のATMで購入したときに限るのですが。  ここで、ミニロトを知らない人に、少し説明しましょう。  ミニロトというのは、ひとことで言うと、数字を選ぶ宝くじです。宝くじ売り場や、ネットや、銀行のATMで買うことができます。  仕組みはこうです。  1から31の数字のなかから五個を選んで、一口二百円でくじの券を購入します。毎週一回の抽選日に、「当たり」の数字が選ばれます。それが、自分の買った数字と一致すると、当選金がもらえる、というふうになっています。  数字が五個とも当たると一等で、買った人と当選者の人数によりますが、一千万円前後の賞金がもらえます。  四個の数字が当たり、あと一個がラッキーナンバーと一致すれば二等で、十五万円前後の賞金がもらえます。  さっきも言ったように、ぼくが当てられるのが、この二等の数字です。A銀行のB支店のATMでぼくがミニロトを買うと、それが二等なのです。二等の数値を予知する、というより、ぼくが買った数値が二等に選ばれる、という感じです。ATMの機械との相性でそうなるのでしょうか。
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