セントパーク

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セントパーク

セントパークの街並みは中世ヨーロッパ風の町並みで、サーシャの宿屋(白銀亭)は中央広場へ続くメインストリートから一本路地を入った所にあった。 8034ef8d-4b95-42e8-82e1-c7b88f621529 「お父さん、お母さん!」 「おお、サーシャ。無事だったっか。」 「心配したのよ。」 サーシャは家族と感動の再会をし、俺はサーシャ一家から盛大なおもてなしを受けた。 目の前にはご馳走が用意されたのだが、見た事の無い食材ばかりだ。 「コウイチさんは命の恩人だ。さぁたくさん食べて下さい。」 「頂きます。」 せっかく作って頂いたので遠慮なく、料理をいただくが、『ん?』 何だか味気無い。塩胡椒をせずそのまま焼いただけ、煮ただけのようだ。 「ところでサーシャ。オークにはどうして捕まったんだ?」 サーシャの父親が尋ねる。 「それが、広場にある市場で買い物をした帰りに路地を曲がった所で急に後ろから襲われて…。気が付いたら。もうオークの巣穴だったの。」 「オークが街に入って来ていたのか?そんなバカな。」 通常オークに連れ去られていくのは街の外に住む農民や、狩りや採集で山に入った時、他の街まで旅する時などで、街中で誘拐された事例はなかったらしい。 「明日エディー様に街の中にオークがいる可能性があることをご報告に行こうと思います。」 エディーとは、セントパーク最大のクラン《トワイライト》の隊長だ。 食事を終え、宿屋の一室で今後どうするか?考えながら、眠りについた。
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