ゴブリン

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ゴブリン

『逃げないと』と思い一歩後ずさりしたその時、 一匹のゴブリンと目があった。 その瞬間ゴブリンはこん棒を振り上げいきなり襲いかかかってきた。 俺は一目散に逃げ出したがゴブリンも小さい割に足が速く振り切れない。 足場の悪い森の中を跳びはねるようにして走り行く手をさえぎられた。 『闘うしかない』 そう思うがこちらは素手、向こうは武器を持っている。 『昨日覚えた魔法を使うしかない。だけど通じるのか?』 手のひらをゴブリンの方に向け、"火炎"の魔法を放つ。ゴブリンは火炎をひらりとかわすが、警戒したのか3匹とも動きが止まりこちらの様子をうかがっている。 『普通に攻撃しててもダメだもっと近づいて相手がかわせない状況を作ってから魔法を放たないと』 一匹に標的を決め、距離をつめる。 ゴブリンのこん棒が届かないギリギリの距離まで間合いを詰め、再度"火炎"の魔法を放つ。 「ピギャー」 ゴブリンは悲鳴をあげながら炎に包まれ、しばらくもがいた後その場に倒れた。 左の方からなたを振り上げたゴブリンが襲いかかってくる。 先ほどと同様、なたが届くか届かないかのギリギリまで間合いが詰まったところで"火炎"の魔法を放つ。 「ピギャー」 2匹目にも"火炎"が直撃し燃え上がる。 それを見て3匹目のゴブリンは逃げて行った。 焼け残った2体の死体は砂のように崩れ去っていき、こん棒となた、それと金平糖ほどの大きさの黒光りする石だけが残った。 とりあえずそれらを"収納"魔法でしまい、 あたりを見渡したが、ゴブリンとの戦いでがむしゃら逃げてきた為、元来た道を完全に見失ってしまった。
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