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一角うさぎ
この状況をどうにかする方法は無いものか?と"収納"魔法で小屋から持ってきた魔法体全を開き、"飛翔"の魔法で宙に浮き上がる。
30m程の高さまで上がり、あたりを見回すと森の中に元いた小屋が見える。
太陽の方(南)から西にかけては広大な森が広がている。北には小高い山があり、西側には平原が広がっている。
平原の先は崖がそびえており、その崖と平原の境目あたりからのろしのような煙が上がっている。
『あそこまでいけば人がいるかもしれない』と思い、進路を西へと決める。
森を抜け、平原に出た。
見た目が毒々しい鹿や、角の生えたうさぎが何匹か見える。
『狩りの経験は無いけれど魔法も使えるしやってみるか?だけど元居た世界の動物とは見た目も違うし食べられるのか?特に鹿の方は見た目が食欲がわかない色をしている。
』そんな事を思いながら逃げられないよう一匹のうさぎにそっと近づく。
"火炎"の魔法では、黒焦げになってしまいそうだし、"風刃"の魔法を使ってみる。
「ザシュッ」
風の刃が見事に命中し、角の生えたうさぎを捕らえる。
異変を察知した他の動物たちは一斉に逃げ出した。逃げる別のうさぎにもう一発"風刃"を放つが今度は距離もあるし、ジグザグに跳び跳ねる動きを捕らえる事が出来なかった。
唯一狩れたうさぎを"収納"しようと思うが、
血が出てるし生物を"収納"して大丈夫なのか?
と疑問に思いながらうさぎの耳を持ち、持ち上げる。すると森の中で倒したゴブリン同様体が砂のように崩れ去っていき、地面には白色の石と、角だけが残った。
『狩りをしても肉が残らなければ食べられないのかぁ。』
落胆し、再び平原を歩きだす。
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