星の降る夜、音のない世界で、君の声を

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私は、瞬の耳元にそっと近づいた。心臓が音をたてて苦しい。でも、それと同時に、心に仕舞っていた想いが溢れていくことに気づいた。 私は、星空を眺めながら、あなたの『手紙』を読みながら、もうあなたに恋をしていたから。 『手紙』の相手が、瞬だと気づく、ずっと前から。 「瞬、すきだよ」 ーーーー耳をすましていた彼には、ちゃんと届いただろうか? 期待していた彼からの返事は、言葉ではなかったけれど、彼は私を抱き寄せて、こつんと額を寄せると、星が降るように、そっとおでこにキスを落とした。 あれから私達は、春は、まばゆいスピカの一等星を一緒に見つめて、夏は大三角形を見上げながら手を繋いで、秋のアンドロメダ座の物語のようにそばにいることを約束して、冬はオリオン座にぶら下がって、寒さを分け合うように温め合って。 季節が巡るたびに、私は彼に想いと共に『声』を届け続ける。 藍色の夜空が、星を堕とすように。あなただけの心の空に、私という星を、もっともっと知って欲しくて。 ーーーー私は、背伸びをして、背の高い彼の左耳に囁くの。 今夜も満点の星空をあなたと見上げながら、 「ずっと、だいすきだよ」って。
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