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ズキズキする頭を押さえながら、立ち上がった途端、スカートの上から何かがするっと滑って、地面に落ちた。
しゃがんで拾ってみると、“死神”の文字が大きく書かれた名刺だった。
名前は書かれていない。
おかしいな、前に見た時は名前があったような――っていうか
「夢じゃなかった!?」
いつから寝てたんだろう。
どこまでが現実?
戸惑っていると、バンッと屋上のドアが勢いよく開いた。
「小春…っ」
ドアの向こうから、必死の形相で屋上に飛び出してきた人物を見た途端、あれは夢じゃなかったんだとわかった。
顔つきは変わっているけど、どこか面影があって。
特徴的な目元の傷を見た途端、彼が誰なのかひと目でわかった。
「愁斗くん…!?」
見間違うはずがない。
でも、どうして?
彼は中学卒業後に、自ら命を絶ったんじゃないの?
「俺に堂々としてろって、俺の味方だって言っといて、何で相談もなくこんなことを…!」
怒っているのか泣いているのか、怖い顔に涙を浮かべて、愁斗くんは近づいてきた。
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