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「えぇ。我々死神は、魂をエネルギーとして活用しています。ですが、あなたの魂のようなものは、エネルギーをほとんど持っていないので、活用できないのです」
食べないんだ。
てっきり、死神って魂を食べるんだと思ってた。
「…はぁ」
「なので、あなたの魂が最低限活用できるよう、充実した人生になるよう――人生をやり直しましょう」
人生を、やり直す?
そんなこと可能なの?
困惑する私をよそに、死神はポケットから手帳を取り出す。
「今から3つ、やり直しの候補となる分岐点をお見せします。どこからやり直すのか、選んでください」
「そんなこと急に言われても――」
「まず1つ目です」
死神が手帳を開くと、周りの景色が変わった。
会社の屋上にいたはずなのに、私たちの周りは真っ白で、何もない。
何もない空間に、青い扉がひとつ浮かびあがった。
「あの、私の人生ホント何もかも上手くいかなかったんです。やり直すだなんて――」
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