【01】 死神は鎌を持たない

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「えぇ。我々死神は、魂をエネルギーとして活用しています。ですが、あなたの魂のようなものは、エネルギーをほとんど持っていないので、活用できないのです」 食べないんだ。 てっきり、死神って魂を食べるんだと思ってた。 「…はぁ」 「なので、あなたの魂が最低限活用できるよう、充実した人生になるよう――人生をやり直しましょう」 人生を、やり直す? そんなこと可能なの? 困惑する私をよそに、死神はポケットから手帳を取り出す。 「今から3つ、やり直しの候補となる分岐点をお見せします。どこからやり直すのか、選んでください」 「そんなこと急に言われても――」 「まず1つ目です」 死神が手帳を開くと、周りの景色が変わった。 会社の屋上にいたはずなのに、私たちの周りは真っ白で、何もない。 何もない空間に、青い扉がひとつ浮かびあがった。 「あの、私の人生ホント何もかも上手くいかなかったんです。やり直すだなんて――」
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