未完の絵

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 私は展示室へ向かって走り出していた。  気もそぞろになり、受付を素通りした私は、父の絵の飾られた展示室を目指して足早にホールを抜けていく。  父の絵の前に立ち、私は手を伸ばした。  白い蝶が、私の手の中からするりと抜け出し、絵の深みへと飛んでいく。  父が振り返り、穏やかに笑った――  ~おしまい~
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