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「お姉ちゃーん、早くお風呂入っちゃえって」
ノックもせずにドアを開けた妹。
ベッドの上に起き上がり、返事もせずに妹の顔を見つめた。
「なに? なんか、ついてる?」
二歳年下の妹・菜月は私がものを言わずに見ているものだから、口を尖らせて眉をひそめている。
なあちゃんは、いいなあ。
目鼻立ちが整ってるし、彼氏っぽい子もいるみたい。
同じ親から生まれたというのに、なんで!!
「ねえ、なあちゃん」
「ん?」
「正直に教えて欲しいの。お姉ちゃんって、どうしたら美人になれる? メイクで変われたりする?」
「は?」
トコトコと歩いてきてベッドに腰かける。
私も起き上がって、なあちゃんと向き合うように座った。
この間、約一分、お互いに何も言わずにじっと見つめ合ったままで。
なんなの、この沈黙……、妹よ、そろそろ苦しい。
そう感じ始めた頃に、なあちゃんはクスッと微笑んだ。
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