10人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
⑤
「あのう、佐藤さん」
突然、渡り廊下で後ろから声をかけられ、びっくりして振り返る。
松永が立っていた。
「松永さん…… 何か用?」
私は出来るだけ冷静に、そして堂々と返事してやった。それは成功したはずだ。
松永はおどおどしているように見えた。
「あのね、あの。あなたのクラスなの」
「えっ?」
「私、松永じゃなくて、今は川上っていうの。川上栞」
「そうなの! ……私のクラスっていうことは」
最初のコメントを投稿しよう!